大阪の「フトシタシアワセ」を創造するプロジェクト

要旨

【1】本プロジェクトは、ツーリストに向けて使われていない、大阪の空間や時間をシェアリングすることで、創造的な大阪の「滞在」をつくりだすこと、「ふとした、しあわせ」に出会える、空間・時間・体験を創りだすことを、基本コンセプトとした。大阪全体を大きく4つのエリアにゾーニングし、北部を森都大阪(Forest-OSAKA)、東部を山都大阪(Mount-OSAKA)、南部を港都大阪(Port-OSAKA)、中央部を夜都大阪(Night-OSAKA)と名づけ、それぞれのエリアにおける特徴的な文化を資源とし、ツーリストに向けてシェアリングする。【2】港都大阪は、大阪府内で唯一ともいえる昔ながらの漁村文化が存在する阪南市・岬町の沿岸地域を対象としている。ターゲット層を、関西国際空港に降り立つ、中長期滞在を目的とした外国人個旅行者と捉え、ホームシェアや、自家用車ライドシェアの活用を提案する。【3】森都大阪は、能勢の浄瑠璃、古民家をつかったゲストハウス、移住者による農産物や加工品販売、アドベンチャー施設等のある能勢町において、その観光資源の組み合わせを変えることで、様々なターゲットの取り込みを提案する。【4】山都大阪は、お金、時間、気持ちに余裕のある旅行者をターゲットに、大阪市内のホテルにステイしながら半日や1日滞在のプログラムやファミリーやキッズ向けの自然体験プログラムの開発、グランピング施設の整備を提案する。【5】夜都大阪は、大阪のナイトカルチャーをツーリストにシェアリングし、夜の文化を様々なニーズに合わせて創造、また、ナイトメイヤーの導入を提案する。ターゲットは、日本文化体験に興味のある比較的若い外国人来訪者で、クラブで楽しく伝統文化体験ができ、大阪ツーリストに24時間大阪を満喫してもらう。【6】ホストとゲストの関係の見直し、つまり滞在する外国人がホストになる仕組みを提案する。外国人滞在客が、他の外国人客をもてなすことで、外国人の長期滞在が実現可能になってくる。
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