戦前の奈良県における学校図書館

要旨

 戦前学校図書館史の個別研究として,奈良県を取り上げる。特に,木下竹次と仲川 明の著述に注目する。戦前の奈良県学校図書館においては,設置方法に集中制と分散制が 混在し,あえて独立した図書館を設けず,学級等に本を分散させることがあった。県下の 優良学校図書館であっても,予算捻出にはたいへん苦慮しており,図書購入費は不足して いた。また,奈良県下の学校図書館の図書購入費は,東京市と大差ない水準にあった。
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