医師が依頼する事務的処理に関する代理実行の委任システムについての提案

要旨

診療情報の中には、医師でなければ扱えない情報、医師以外の職員でも扱える情報があ る。同様に、医師でなければ行えない行為、医師以外の職員でも行える行為もある。医師法に 定められている通り、医学的な判断が必要な行為は、医師以外の職員はできない。医師は医療 現場において、医療に関連した事務処理を看護師や他の職員に依頼することがある。依頼は口 頭で行われていて依頼書などは作成されない。その後、医師は確認することはなく、確認する 場合も口頭である。また、依頼を受けた職員も、処理実行後は報告書が作成されず、報告は口 頭になる。それでは、その処理の対象となる診療情報が適切に扱われているとは言いがたく、 安全性・信頼性が保たれない。そのため、安全性・信頼性を保つためのしくみとして依頼を出 した医師と、その依頼を処理した職員を関連つけて、追跡が可能となるシステムを、認証局や 電子委任状、電子署名を用いて考案、考察し問題点を明確にする。
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