著作に対する典拠形アクセス・ポイントの諸問題

  • 古川 肇

要旨

目録に関する準国際標準というべきRDAの主要な特徴の一つは、体現形の記録が、著作の記録と、著作に対する典拠形アクセス・ポイント等を介して、必ず関連付けられることである2)。これにより目録は確実にその構造が強化されるだろう。約二十年前に「日本では統一タイトルの適用が無著者名古典に限定され、タイトルの異なる諸版や翻訳相互に及ぼされないという問題がある3)。」と述べた筆者にとって、これは喜ばしい改訂である。だが、歓迎してばかりもいられない。『日本目録規則 1987年版』(以下「NCR1987」)における関連規定が充実した内容とは評しがたいため、日本では著作に対する典拠形アクセス・ポイントに関して、確定を要する問題点がいくつも残されているからである。この一文はその解決に資する目的から執筆された4)。なお、引用文における下線は筆者による。

出版済
2013-04-29
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