震災とメディア -わが国の震災報道史を検証し情報社会におけるあり方を考察する-

要旨

近代以降、わが国災害史の中でも特別に被害規模の大きかった「関東大震災」、「阪神淡路大震災」、「東日本大震災」という3つの大地震をとりあげ、それぞれの時代における震災報道のメディア史を批判的視点で整理・分析そして評価する。一方で「30年以内に70~80%の確率で起きる」と予想をされる「南海トラフ大地震」については、内閣府をはじめとする国の各機関が警戒を強める中、我が国のメディアは人々に何をどう伝えたらよいのか、または伝えるつもりなのか。災害への関心と情報ニーズがますます高まっている昨今の情報化社会において、情報ライフラインに資するメディアの姿とはいったいどんなものであるのか考察する。

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