児童図書館員養成に求められる授業内容:「児童サービス論」教科書分析の批判に関して

要旨

司書課程の「児童サービス論」科目に対して、資料論中心であること等について批 判的な指摘がある。この批判の適否の検討も含めて、新カリキュラム発表後出版された教 科書 5 タイトルについて、児童資料、出版、資料選択ならびに、児童図書館経営、児童図 書館員養成についての記述を比較検討した。児童資料の歴史や出版に関する記述は十分と はいえず、また選書等資料に関する研修が多く求められ実施されていることからみても、 資料論はむしろ充実が求められる内容といえる。ただし経営の外部化の拡大によって、児 童図書館員に重要な経験の積み重ねがされにくくなる現状を鑑みると、経営についての学 習も不可欠であり、養成課程の授業担当者にはそれへの配慮も求められる。
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