2020年著作権法改正過程と図書館

要旨

2018年以降、知的財産戦略本部検証・評価・企画委員会(現:構想委員会)の主導の下に、
各省庁により海賊版サイト問題への対策が次々に打ち出された。しかし、静止画ダウンロード違法化や
リーチサイト規制を含めた2019年の著作権法改正案は議論が不十分であるとの理由により国会での提出が
見送られた。以降、各省庁は各種対策への布石として、国民にアンケートを実施したり、パブリックコメント等
を求めたりした。そして新たな著作権法改正案を国会に提出し、2020年6月5日、侵害コンテンツのダウンロード
違法化に対する改正著作権法が参議院本会議で可決、成立し、6月12日に「令和2年法律第48号」として公布された。
なお、同法律は2021年1月1日より施行、「リーチサイト」の規制については2020年10月1日から施行されることとなった。
本稿では、この著作権法改正への経緯を概観すると共に、その課題や図書館との関わりについて考察する。

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