個人活動記録と簡易測定による脳波記録のライフログへの応用

要旨

 最近は、ITテクノロジーの発展や各種センサーの開発によって、日々のセンサーデータを蓄積してマーケティング、社会生活および医療に役立てようとする「ライフログ」が注目を浴びてきている。そこで、本論文では、ライフログ情報の中で脳波データを蓄積することによって、日々の生活に対してリコメンドできる可能性について考察する。 蓄積データとしては、2012年1月1日から2012年12月31日までの筆者自身のデータを毎日蓄積し、簡易脳波計を使用した脳波データおよび歩数(運動活動)、勉強時間+仕事時間(知的活動)、意欲回数(精神活動)である。また、この3つの要素(運動活動、知的活動、精神活動)を総合的に評価する方法についても考察した。さらに、本論文で提案した評価方法と同じ方法で、第3者に対してのイメージ想起時の脳波も評価した。  考察した結果、歩数では42.9%~88.2%、勉強時間+仕事時間では42.9%~100%、意欲では42.9%~95.8%、総合では76.2%~100%の識別率を得ることができた。また、第3者に対するイメージ想起時の評価においても55%~69.3%であった。したがって、日々の生活態度に対して、ある程度のリコメンドを行える可能性があると考えられる。
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